さくらミント@神竜

さくらミント@神竜

峠を越えるならやめておきなさい。
じきに日が暮れる。
夜の山は危険だからやめておきなさい。


ふもとの村でおじさんに、そう言われたのを僕は思い出していた。

急ぐ旅ではなかったけど「だから今夜はうちの宿に泊まりなさい」その一言が足されたとたん、今夜中に山を越えようと決心した。
僕を心配していたわけではないのだ。
僕の装備がビギナー装備だから、あんな事を言ったに違いない。

この時期の山は思った以上に日が暮れるのが早かった。
遠くでケケケと妖異の声が聞こえた気がした。


野宿をしようにもこの山は危険すぎた。
テントを張ろうとすると、なぜか野犬に襲われた。
でも僕は駆け出しの冒険者じゃないから野犬なら撃退する事はできる。
無傷ってわけにはいかなかったけど。

何度野犬と交戦したのだろう。
思った以上に野犬はしつこく僕のあとを追いかけてきた。
僕はまるで自分が罠に追い立てられる狐のような錯覚に陥っていた。


野犬との終わりが見えない戦いに、諦めかけた時だった。
暗い木々の間から射す青い光に気付いた。
家の灯りだ!
僕は転がるようにその光に向かって走っていた。


そこには想像をもしなかった大きな館がたたずんでいた。
青い光の正体は、またそれも想像もしていなかった綺麗で幻想的なステンドグラスだった。
僕はとたんに自分の姿に恥ずかしさを覚え、ズレた肩当てを整えると呼び鈴を鳴らした。
ハウケタ
また、ケケケと妖異の声が聞こえた気がした。



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最終更新日2017-10-02
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Comments 4

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いちへー  

おっと何が始まるのかな!わくわく!

2016/07/17 (Sun) 10:37 | EDIT | REPLY |   
Peach  
No title

さくらさんの文章好きだなぁ・・・。
引き込まれます。
続きが楽しみ。(オチもあるのかなw

2016/07/17 (Sun) 15:41 | EDIT | REPLY |   
さくら  
いちへーさん

は、はじまらないよ;

つい綺麗なSSが撮れたからお話しを付け加えてみたのだ。
これを世間では蛇足というね。

なので、そのわくわくに応える事はできないけど。
これからも読んでくださいな!

2016/07/17 (Sun) 20:10 | EDIT | REPLY |   
さくら  
ピーチさん

そんな事言われると///

書いてよかった!ありがとうー!

この話には続きがないの;;
だってみんな大好きハウケタだもの。
この続きはみんなが持っているハウケタに続くの。

なんてかっこつけて言ってみたけど、オチを思いつかないだけっていうのは秘密のお話し
ケケケ

2016/07/17 (Sun) 20:15 | EDIT | REPLY |   

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